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【保存版】東京で白内障手術を受ける前に知るべき費用・レンズ選び・病院比較ガイド
2025.10.10
白内障手術を東京で受けようと考えると、「費用はいくら?」「保険は使える?」「どのレンズを選べばいい?」と不安になる方は多いでしょう。
本記事では、東京で手術を検討中の方・ご家族に向けて、保険適用・選定療養・自由診療の費用比較、レンズごとの見え方、施設選びの鉄則、実際の手術フローなどを網羅します。
この記事を読むと、後悔しない白内障手術の選び方・比較方法が明確になります。
まずは結論!東京で白内障手術を選ぶための4つの鉄則
東京で白内障手術を検討するときは、単なる価格比較では不十分です。レンズ性能・実績・術後ケア・アクセス性という4つの視点を押さえることが、満足度を決める鍵になります。以下で5つの鉄則を簡潔に示します。
①レンズの見え方・適応を比較すること
結論:レンズ選択が“見える質”を左右する
理由:単焦点は近方重視・遠方重視か選択、多焦点は遠近補えるが欠点もある
具体例:選定療養で多焦点レンズを選ぶと、遠・中・近方をカバーできる可能性があり得る
まとめ:自分の生活様式(読書・PC作業・夜間運転など)を基にレンズ適性を検討する
②医師・施設の実績・設備をチェックすること
結論:高品質な手術は“目に見えない裏側(実績・設備)”で差が出る
理由:手術件数・感染率・使用機器・手術補助技術などが安全性・仕上がりに直結
具体例:年間手術数250例・術後感染0例といったクリニック実績が信頼材料となる
まとめ:実績公表・論文掲載・設備紹介を確認し、質問して確かめよう
③術後ケア・安全対策体制を確認すること
結論:術後トラブルを防ぐ鍵は、ケア体制と対応力
理由:合併症発見~対応・定期診察体制・緊急対応可否が安心感に直結
具体例:感染予防プロトコル、術中・術後使用薬剤、術後トラブル対応実績など
まとめ:初診時に「何かあった時の対応体制」を質問しておく
④通院しやすさ・アクセス・検診スケジュールとの整合性
結論:通いやすさは継続ケアの質を左右する
理由:検診・薬剤管理・経過観察で通院が必要なため、アクセス性は重要
具体例:都心駅近クリニック vs 郊外大病院、移動負担・公共交通アクセスを比較
まとめ:通いやすさを過小評価せず、継続性の観点から判断する
費用構成と制度の違い
まずは白内障手術における費用の仕組みを理解しなければ、比較も判断もできません。ここでは、保険診療・選定療養・自由診療の違いと、費用の構成要素、高額療養費制度などを明らかにします。
①保険適用(単焦点レンズ+保険診療)/自己負担額の目安
保険診療の手術では、単焦点眼内レンズ+基本手術料が保険でカバーされます。3割負担の方で片眼5~6万円程度、両眼で約11万円前後が目安となる医院が多いです 。
ただし、70歳以上で1割負担の方や所得条件によってはさらに安価になるケースもあります
②選定療養方式(認可多焦点レンズの“保険+追加負担”型)
選定療養とは、白内障手術そのものは保険適用としつつ、多焦点レンズや追加検査分を自己負担とする制度です
具体例:多焦点レンズを選ぶ場合、レンズ代として片眼でおおよそ28~30万円前後を自己負担とする例があります。
また、眼科によっては乱視補正付きレンズなどで追加料金を設定している場合があります
③完全自費(自由診療)型の相場:多焦点+レーザー併用例など
完全自費型では、手術技術料・検査・薬剤・レンズ代など全額自己負担になります
目安としては、片眼40~70万円程度、多焦点+レーザー併用ならもう少し高額という例も見られます
④費用の内訳を知る(検査料・術前準備・機器使用料・薬剤代 等)
手術費用には、以下のような構成要素があります:
・術前検査(眼軸長測定・角膜形状解析・網膜検査など)
・手術技術使用料(レーザー機器利用料など含む)
・眼内レンズ代金(保険または自己負担分)
・薬剤・器材・滅菌・麻酔料
・術後診察・フォローアップ検査
これらの内訳を見積もりで明細を出してもらうことが大切です。
⑤高額療養費制度・医療費控除・支払い方法(分割・クレカなど)
高額療養費制度により、一定額を超えた医療費は払い戻しの対象になります 。
たとえば、70歳以上1割負担の方なら月額8,000円が上限になるケースがあります 。
また医療費控除で確定申告により還付を受ける手段もあります。
支払い方法として、分割払いやクレジットカード対応のクリニックもあるので事前に確認しておきましょう。
レンズの種類と見え方(メリット・注意点)
白内障手術後の満足度は、手術技術だけでなく、選んだレンズの特性に大きく依存します。
ここでは、各種レンズの特徴・メリット・注意点を比較し、選び方の観点を整理します。
①単焦点レンズ:シンプル構造・見える距離・弱点
単焦点レンズは遠方または近方のどちらかに焦点を合わせる構造で、構造がシンプルなため安定性が高いという利点があります。
ただし、近距離(読書やPC操作)を見るには眼鏡が必要です。
また夜間のグレア・コントラスト低下のリスクは比較的低い傾向があります。
②多焦点レンズ(2焦点・3焦点・EDOFなど):遠近両用の特徴
多焦点レンズは遠方~中間~近方をある程度カバーでき、眼鏡依存を減らす可能性があります。
2焦点、3焦点、EDOF(中間重視型)などレンズ設計により見え方のバランスが異なります。
ただし、光の分割によるコントラスト低下やハロー・グレア(夜間光のにじみ)リスクもあります(特に暗所環境で)。
③トーリックレンズ(乱視補正)オプションの必要性
乱視がある方にはトーリック(乱視補正)レンズを選ぶことで、さらに鮮明な見え方が実現できます。
多焦点タイプにも乱視補正付きのモデルがあり、より適切な視力調整が可能です。
ただし、乱視補正付レンズは追加費用や適応制限があることを理解しておきましょう。
④アドオンレンズ方式:後付けで多焦点化する選択肢
アドオンレンズ方式とは、まず単焦点レンズを挿入し、後から追加のレンズを挿入して多焦点化する手法です。
この方法を使えば、初期リスクを抑えつつ将来的に近見機能を追加できる可能性があります。
ただし、適応条件や合併症リスクを十分に確認する必要があります。
⑤レンズ選びのチェックポイント [見え方希望・コントラスト感度・夜間グレア]
レンズ選びでは以下のポイントを基に判断すると良いでしょう:
・日常で重視する距離(遠方重視/中間重視/近方重視)
・夜間運転や暗所での見えやすさ(グレア耐性・コントラスト保持)
・調節機能や将来的な眼症病変の有無
・乱視補正の必要性
・適応眼の条件(角膜乱視、網膜疾患など)
手術方式・技術・設備比較
手術方式や技術、使用設備は、術後の視力・安全性・合併症リスクに直結します。ここでは各方式・設備の利点・制約を比較し、選ぶべき観点を整理します。
①従来型超音波白内障手術とは何か
超音波乳化吸引法(超音波手術)は、水晶体を超音波振動で砕きつつ吸引除去し、人工レンズを挿入する方式です。
長年実績があり、適応範囲が広く信頼性が高い方式として普及しています。
②フェムト秒レーザー併用手術の利点と制約(コスト・適応)
フェムト秒レーザー併用では、角膜切開・水晶体前嚢切開などをレーザーで精密に行えるため、手術の再現性や安全性向上が期待できます。
ただし適応制限・コスト増額がネックとなる場合もあり、すべての施設で導入されているわけではありません。
③低侵襲手術技法・進行症例対応例
例えば、マイクロインシジョン技術(極小切開)や穏やかな水流制御による低侵襲アプローチがあります。
進行例や硬化水晶体例などでは、追加手技や補助器具の導入が必要な場合もあります。
④日帰り vs 入院型の選び方・注意点
多くの白内障手術は日帰りで行われますが、合併症リスクや体調、通院距離によっては入院対応が適しているケースもあります。
入院型では入院費・ベッド代が加算される可能性があります。
⑤検査・撮影装置(OCT・波面収差・眼軸長測定など)の存在意義
事前検査には、OCT(網膜断層像)、角膜形状解析、波面収差測定、眼軸長測定などがあり、これらを精査できる設備を持つ施設ほど術後成績が出やすい傾向があります。
東京での実践的な流れと注意点
手術検討から術後定期検診までの実際の流れを知っておけば、不安や手間を軽減できます。東京で手術を受ける際の注意点も併せて整理します。
①事前相談・検査項目フロー
初診で問診、視力検査、眼圧測定、角膜形状測定、網膜検査、眼軸長測定、波面収差などの精密検査を行います。
これら検査データをもとに手術方式・レンズ選定・見え方シミュレーションを提示されます。
②手術当日の段取り(到着〜帰宅まで)
来院・着替え・点眼麻酔準備 → 術前確認 → 手術実施 → 経過観察 → 帰宅 という流れが一般的です。
通常、数時間程度で帰宅可能ですが、麻酔効果や体調に配慮しゆとりを持って行動しましょう。
③術後の検診スケジュールと定期フォロー
術後1日、1週、1か月、3か月、6か月、1年程度のフォローが一般的です。
合併症や視力変動を早期発見するため、このスケジュールを守ることが重要です。
④見え方の変動期・安定期までの注意点
術後1~3か月程度は見え方が変動する時期で、ピントが前後したり違和感を感じたりする方もいます。
この時期は無理な遠近運動や眼精疲労を避け、定期診察での調整を仰ぎましょう。
⑤再手術・追加処置の可能性と条件
たとえば、後発白内障(後囊混濁)が起こった場合にはレーザー処置(YAGレーザー後嚢開窓術)が必要になることがあります。
また、乱視残存や残余収差が強い場合には追加レンズ挿入やリレンズ手術の可能性もあります。
東京都内でのおすすめ眼科・名医選びの方法
東京には多くの眼科が存在しますが、どこでも同じというわけではありません。選ぶべき視点を整理し、具体的な比較方法を提供します。
①名医を探す5つの視点(実績、専門医、学会論文、クチコミ、紹介)
・年間手術件数・症例数を公表しているか
・眼科学会専門医・認定資格を持っているか
・論文・学会発表実績
・患者口コミ・満足度
・他医師・紹介元からの信頼性
②DPC実績・手術件数ランキングから見る病院比較法
DPC(診断群分類別包括評価制度)実績公開や手術件数ランキングなどを参考に、信頼できるクリニックを選ぶ材料となります。
こうした公的データを参照することで宣伝文句ではなく客観性に基づいた比較が可能です。
③医療設備・アフターケア体制・夜間対応の見方
前章で述べた検査撮影装置が揃っているか、術後トラブル対応窓口があるか、夜間緊急対応が可能かを確認すべきです。
また、手術後の通院負担を減らすために近隣施設での検査引継ぎ可否もチェック材料になります。
④アクセス重視:都内駅近 vs 郊外施設のトレードオフ
都心駅近クリニックは通院に便利ですが、施設規模・駐車場状況・混雑具合などを確認しましょう。
郊外施設はゆったりした環境やコスト抑制の可能性があるものの、通院負担が増すリスクがあります。
よくある質問
白内障手術については疑問や不安が多いものです。ここでは典型的な質問とその回答をQ&A形式で整理し、判断を助けます。
①多焦点レンズは保険適用されるのか?
回答:いいえ、手術そのものは保険適用可能ですが、多焦点レンズ部分は自己負担となります(選定療養扱い)
②両眼同時手術は安全か?
回答:両眼を同日手術する施設もありますが、万一の合併症リスクを分散する観点から、左右別日手術を提案する施設もあります。リスク・メリットを主治医とよく相談しましょう。
③合併症リスクはどの程度ある?
回答:白内障手術は比較的安全な手術とされていますが、感染(術後眼内炎)、硝子体出血、網膜剥離、後発白内障などのリスクがあります。適切な術前検査・無菌環境・アフターケアでリスクを最小化できます。
④手術できないケース・禁忌条件
回答:重度の角膜疾患・重篤な網膜疾患・重度の緑内障進行例・眼全体の炎症性疾患などがある場合、理想的な結果が得られない可能性があります。主治医の診断を仰ぎましょう。
⑤術後すぐできる生活行為・禁止事項
回答:当日は安静・入浴・洗顔顔への水入れを避ける/翌日以降は軽い洗顔可。激しい運動・重い荷物持ち上げ・プール・温泉などは、医師指示に従って控える必要があります。
まとめ:失敗しない白内障手術選びの5ステップ
①制度区分を把握し、明細付き見積もりを取る
②自らのライフスタイルに合ったレンズ設計を検討する
③実績・設備・ケア体制を重視して眼科を選ぶ
④術後ケア体制・緊急対応力を持つ施設を優先する
⑤通院可能性・アクセス性を加味して比較する
東京で白内障手術を検討する際には、これら5ステップを順にチェックし、自信を持って選択できる眼科を選びましょう。何か気になる点や具体的な比較病院ご希望があれば、いつでもお知らせください。
この記事を書いた人
院長 大澤 彰
執筆者プロフィール
・日本眼科学会専門医
・障害者指定医
・難病指定医
・臨床研修指導医
・PDT療法認定医
・ボツリヌストキシン療法認定医
・水晶体嚢拡張リング(CTR)認定医