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コラム

FINE VISION(ファインビジョン)HP

2025.11.18

FINE VISION(ファインビジョン)HP
Column

スペック
焦点タイプ:回折型3焦点(アポダイズ構造)
焦点距離:遠方/中間(+1.75D)(約70cm)/近方(+3.5D)(35cm)
エネルギー配分:遠方42% /中間15% /近方29% (光学ロス 14%)
素材:疎水性アクリル
生産国:ベルギー(PhysIOL社→BVI社)
選定療養対象:〇
乱視:なし

FINE VISION(ファインビジョン)HPの特徴

🌐 世界初の三焦点回折レンズ(FineVision®)
2010年に世界で初めて三焦点回折型の眼内レンズを発表し、同年にCEマーク認証を取得しました。当初は厚生労働省の承認を受けておらず、国内では自由診療として長く使用されてきましたが、海外を含め十分な臨床実績が蓄積され、2023年に 選定療養 として国内承認を取得しました。これにより、従来の二焦点レンズでは困難であった「遠・中間・近方の3領域での高い視機能」を、単一レンズで実現できる道が開かれました。
🧠 「二つの二焦点回折構造」のハイブリッド設計
FINE VISION(ファインビジョン)HPの三焦点設計は、異なる加入度数を持つ2種類の二焦点回折レンズ(+1.75D と +3.5D)の光学特性を統合したものです。
0次光 :遠方焦点
中間(+1.75D)(約70cm)の1次回折光:中間焦点
近方(+3.5D)(35cm)の1次回折光:近方焦点
さらに、+1.75Dの設計に由来する+3.5Dの“2次回折光”が、+3.5Dの1次回折光と重なり、近方に有効利用されるよう緻密に設計されています。 つまり、「失われるはずの光」を近方視に利用する構造になっています。この設計により光ロス14%という高い光利用効率を達成しています。遠方・中間・近方において連続的に良好な視力を提供し、眼鏡依存度の軽減が期待できます。

📈 幅広い焦点深度を実現

📈 幅広い焦点深度を実現

FINE VISION(ファインビジョン)HPは遠方,中間(約75cm),近方(約35cm)の幅広い距離をカバーでき、日常生活の多くを裸眼で快適に過ごせるようになります。スマートフォンの操作、読書、家事、テレビ視聴、屋外での活動など、さまざまな場面で眼鏡に頼らずに生活できる点が大きな魅力です。
FINE VISION(ファインビジョン)HP の「アポダイズ回折型」構造は、レンズ中央部と周辺部で回折構造が異なるように設計されています。(中央部:遠方にも近方にもバランスよく光を振り分ける。周辺部:遠方に特化した屈折領域。)そのため、暗い環境では瞳孔が大きくなり、より多くの光が遠方に振り分けられるため、夜間でも遠方が見えやすく、安定した視界が得られるという特徴があります。

※ 一方で暗所では近方視がやや低下しやすいため、手元を見る作業では明るさを補うことが大切です。

👓 眼鏡からの解放

👓 眼鏡からの解放

同じく国内臨床試験において、FINEVISION® HPを移植した患者さんの91.3%が「眼鏡を使用していない」と回答しました。読書、PC作業、スマートフォン、外出時など、幅広い場面で裸眼での快適な視界が得られる可能性が高いことが示されています。

瞳孔が広がる夜間に、遠方視を優先。ハロー・グレアを抑えた設計

瞳孔が広がる夜間に、遠方視を優先。ハロー・グレアを抑えた設計

瞳孔の平均サイズは状況(明るさ)により変動しますが、明るい場所では2~4mm、暗い場所では4~8mm程度に広がります。
FINE VISION(ファインビジョン)HP独自のアポダイゼーション設計により、瞳孔径が大きくなるほど遠方視に割り当てられる光エネルギーの割合が増加するよう構成されています。
暗い環境では瞳孔が拡大し、大きな光量が周辺部に入るため、光エネルギーは遠方領域に優先的に配分され、夜間のまぶしさ(ハロー・グレア)が軽減されます。
一方、明るい環境で近くを見る際には瞳孔が縮小するため、中心部から近方領域により多くの光が配分され、近方視が安定します。
FINE VISION(ファインビジョン)HPに採用されているアポダイズド回折型設計は、明所・暗所の視機能を両立させ、ハロー・グレアを抑制しながら視覚品質を向上させることを目的とした構造です。この設計は、レンズ中心部と周辺部で異なる回折・屈折構造を持たせた点に特徴があります。
•中心部:回折構造により遠方・中間・近方へ光エネルギーを配分
•周辺部:遠方単焦点として作用する屈折領域
•中心から周辺へ向け配分の比率が徐々に変化

これにより、暗所で瞳孔径が大きくなった際には、周辺部から遠方領域により多くの光が取り込まれるため、夜間視機能が保たれやすく、異常光視症の発生が抑制されます。

ただし、暗い環境では近方領域に配分される光量が相対的に減少するため、暗所で細かな作業や読書を行う際には、手元を十分に明るく照らすことが推奨されます。

独自のハロー・グレア対策

独自のハロー・グレア対策

上記のアポダイゼーション設計と回折格子の先端を丸くなめらかに変化させることで、光の急激な変化を抑え、ハロー・グレアの原因となる異常光を軽減する独自のCoPODize(コポダイズ)テクノロジーという独自技術によりさらにハロー・グレアなどの夜間異常光視症の軽減をおこなっております。

レンズの安定性

レンズの安定性

ダブルCループプラットフォーム(ハプティクスが4つの接触面を形成)で水晶体嚢内の安静性を術後のレンズが安定しやすく、レンズ劣化を防ぐ工夫もされています。

まとめ

🔷 利点
① より近方(35cm)がしっかり見える設計
近方加入 +3.5D により、約35cmの距離が得意です。
スマートフォン、読書、裁縫などのより手元の作業がしやすくなります。
パンオプティクス(PanOptix(40cm, +3.25D))よりも、手前での作業を重視したい方に向いています。
② ハロー・グレアは少ない
三焦点レンズとしては少ないです。
🔶 注意点
① 中間距離(80cm~70㎝)が主焦点
中間加入 +1.75D → 約75〜80cmが最も見やすい距離です。ややパソコン作業には少し遠い場所になります。100~70cmまでの視力はパンオプティックスと比べてもよく見えます。
一方、パンオプティクス(PanOptix)は +2.17D → 約60cmを提供し、パソコン作業やスマホ距離により適しています。
② 暗所では手元の見え方が低下しやすい
光量が不足すると、特に近方視力が落ちやすくなります。
読書や細かな作業では、照明をしっかり確保することが必要です。
③ 乱視矯正用レンズ(トーリック)がない
角膜乱視のある方では、十分な視力が得られない可能性があります。
乱視が中等度以上の方には推奨できません。
④ 強度近視に対応した度数ラインナップがない
レンズ度数は +10.0D からの設定で、強度近視の方では対応が難しい場合があります。